京大准教授の投資日記 ~優待バリュー株で楽しく億る~

若手京大准教授(理系)が優待バリュー投資をベースとしつつ、「楽しく」億り人を目指します!

書評「価値の探究者たち」 ①

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今日は、最近読んだ本を紹介したいと思います。

書名は、『価値の探究者たち』です!!

英語のタイトルは、The value investors となっており、

直訳すると「バリュー投資家たち」という意味で、

古今東西の様々な一流バリュー投資家12人のインタビュー集となっています。

今年(2017年)の1月に翻訳が出ており、比較的新しい本です。

なので、さほど有名でもありません。しかし、以下で見るように、この本は名著だと思います。

 

バリュー投資家の思考のエッセンスがわかりやすくまとめられている点が、本書の最大の魅力です!! 

したがって、本書は、バリュー投資家を目指す者にとって、大変有益なものになっています。

  

本ブログでは、数回にわけて(1回ごとに扱うバリュー投資家は2~4人)、私が感銘を受けたフレーズをピックアップしていきたいと思います!

 

第1章 ウォルター・シュロス(アメリカ)

自分の身にひどい災いが降りかからなかったら、それだけで儲けたようなものだ。私はそれを心に刻み込んだ。だから、私がウォールストリートで働き始めた時の目標はカネを失わないことだ。(5頁) 

できるだけ損失を出さないようにして、生き残ることさえできれば、結果的にいくらかの財産ができているものさ(9頁)

 

防御力を重視した投資の大切さを説いていますね。バフェットの「ルール1:損をしないこと。ルール2:ルール1を忘れないこと。」に通じるものがあります。それもそのはずで、シュロスはバフェットと同じく、ベンジャミン・グレアムを師としており、2人の考え方には共通点が少なくありません。

 

人生は短いものだから、自分に自信をもって、嫌いなことに時間を使うのではなく、好きなことに粘り強く取り組めばいい。それが財産を生んでくれるのさ。(9頁)

これは、投資以外のことにもあてはまる名言ですね。投資が嫌いな人なら、投資に時間を使う必要はありません(インデックス投資という省エネ投資でも、長い時間をかければ老後までには億り人になることも十分可能です)。それよりも、自分が好きなことをとことん突き詰めた方が幸せですし、やり方次第で大きく稼ぐこともできるのではないでしょうか

私はストレスを好まず、それを遠ざけた。だから、マーケットのニュースや経済データに過度に注目することはしなかった。こういうニュースやデータはいつも投資家を惑わすものさ(15頁)

マーケットの動きに自分の感情が影響されないようにしなければならない。投資は楽しく、挑みがいのあるもので、ストレスと不安を感じるようなものであってはならない(19~20頁) 

投資というのはアートであり、論理的で感情に左右されないものであるべきだ。私たちは一般的に投資家がマーケットの状況に影響されてしまうことを知っているから、できるだけ合理的にふるまうことで、優位に立とうとする。グレアムもいっているよ。「マーケットはあなたに奉仕するためにある。あなたを導くものであってはならない。」(20頁)

 

マーケットとの向き合い方について書かれたものです。投資は、資産形成という将来のゴールを目指す営みですが、その過程(現在)も楽しめるものであるべきだと私は考えています。人生の究極の目的は幸せであって、お金はその手段のひとつにすぎないからです。このことは、山登りにおいて、山頂に到達した達成感を味わうだけでなく、途中の道中を楽しむことに似ていると思います。

マーケットから過度のストレスを受けないことは、精神的幸福だけでなく、投資成績にも影響するため、重要ですね。私も、あまり株価は気にしないようにしたいと思います。

 

 

第2章 アービング・カーン(アメリカ)

大恐慌は、質素の意味と、カネを失わないことの重要性を教えてくれた。私は本当にカネがなかったので、少しでも、倹約するために、昼食はいちいち家に帰って食べるようにしていた。」(28頁)

カーンは、貪欲な読書家であり、投資アイディアに資することのないフィクションを除いて、あらゆるものを読む。複数の新聞を毎日読むだけではなく、科学誌、テクノロジー誌にも定期的に目を通していた。最新ニュースやトレンドを追い、何千冊ものノンフィクションの本を読んだ。読んだ後、その本にはメモがぎっしりと書き込まれていた。(35頁)

カーンも、バフェトと同じくグレアムを師としており、倹約・読書を習慣としていました。私も、彼らを見習って、日々、倹約と読書に励んでいます。

 

カーンは、投資の成功には、広範なテーマでの読書に加えて、忍耐、規律、そして懐疑心が必要だと考えている。

割安さに重きを置くバリュー投資というやり方は、当初はマーケットの多くに理解されない。時間がたつにつれてマーケットが展開していくことを待つ忍耐が必要とされる。

自ら考えるという規律は極めて重要だ。他人からどの株を買うのがいいかアドバイスされてばかりいると、怠け者になってしまう。賢明な投資家は、必要な時には猛勉強するし、投資判断をする際にはしっかりと財務数値を読み込むといった努力を怠らない。規律こそ、投資家独自の優れたアイディアのもとなのだ。

最後に、株が割安かどうかは、財務数値をもとに判断されるが、その数値を作成しているのは企業の経営者だということを考えれば、少々の懐疑心も役に立つ。投資家たるもの財務数値だけではなく、その数値の実現に向けて働く企業の経営者たちの資質についても目配りしておくことが必要なのだ。(36頁)

忍耐・規律・懐疑心。バリュー投資家に必要な資質ですね。

懐疑心に関して言えば、日本企業では、優待の持続性や、経営者の資質について、よく注意する必要があると思います。例えば、昨年から今年初めにかけて、ウェッジHDや、ユニバーサルエンターテイメントといった銘柄が、成長性から買われましたが、経営者については、過去の言動から、その誠実さに疑問がありました。現に、その後、不正が発覚したり、不正の疑いが出ていたりして、現在株価は低迷しています。

他の投資家(その時々の流行)に流されないためには、忍耐・規律が重要ですね。

 

ウォールストリートの人たちは、金儲けに夢中になるあまり、ストレスに満ちて不健康な生活を送っている。カーンは、資産はあるが健康ではない人生に疑問を投げかける。

……「酒とたばこはいけない。栄養のあるものを食べなさい。活動的でいなさい。世界中の人と会って刺激を受けなさい。たくさんの書物を読みなさい。特にいまは実現していなくても、将来、可能となるような物事について書かれているものを読みなさい。心をシャープにして、行動的にしておけば、必ずいいことがあるものだよ」 

……研究者は、100歳を迎えることができる長寿の人たちは、共通して、外交的で、フレンドリーで、しっかりしたネットワークを持っているという点に注目している。長寿の人たちは、いつも開放的で、人生の明るい面を見ているものだ。……彼らは、ストレスをかわすこと、物事に執着しないことにたけている。

「……必要でないのに買うのは、そろそろやめにしよう。本質に着目しよう。そうすると長く幸せに生きられるよ。人生の目標は幸せになることなんだ。だから、そのために意味のあることだけしようじゃないか!」

「十分に長く生きていれば、そりゃ、そのうち有名になるよ」(39~40頁)

カーンは、109歳まで(!)生きており、超長寿な投資家でした。やはり、日ごろから健康によい生活をしていたことと、ストレスをかわして明るく生きてきたことが、長寿の秘訣のようです。

わたしも、カーンを見習って、幸せに、末永く生きていきたいと思います。

 

 

今日のところは、ここまで。

いや~、非常に良い本ですね!!!

引用も厳選したものの、やや多くなってしまいました。

②につづきます。お楽しみに。